昼夜逆転の直し方|うつで動けない状態から10時起きまで戻した全手順

非定型うつ・睡眠 - nodenceの日誌 非定型うつ

一番ひどいときは15時起きだった。カーテンを開けると外はもう傾いていて、その日はもう何も始められない。そこから10時起きまで戻すのに、およそ3ヶ月かかった。

この記事は、その3ヶ月で実際にやったことと、やって逆効果だったことをそのまま書いたものである。うつの治療中に生活リズムが崩れた人を想定している。

「昼夜逆転 治し方」で調べると、朝散歩・朝日・一日徹夜といった方法が並ぶ。どれも間違ってはいないが、動ける体力が残っている前提で書かれていることが多い。うつで日中も横になっているような状態だと、そもそも実行できずに終わる。ここではその前提を外して書く。

先に結論|順番を守らないと戻らない

  1. 起床時刻だけを決める。就寝時刻は決めない
  2. 起きたらすぐ光を入れる。動けない日はカーテンを開けるだけでいい
  3. 眠れない夜は布団から出る。粘らない
  4. 起きた時刻と寝た時刻だけを記録する。体調は書かない
  5. 戻すペースは1日30分まで。それ以上詰めると崩れる

この5つだけである。順番が大事で、特に1番を飛ばして「早く寝る」から始めると、ほぼ確実に失敗する。理由は後述する。

どこから、どこまで戻したか

時期起床時刻状態
開始時15時前後日によっては17時。就寝は明け方
1ヶ月後13時前後ばらつきが大きい。戻る日と戻らない日が半々
2ヶ月後11時前後ここで一度崩れて14時まで戻った
3ヶ月後10時前後ほぼ安定。ただし週に1日は崩れる

きれいな右肩上がりではない。2ヶ月目に一度大きく崩れている。ここで「やっぱり自分には無理だ」と思ってやめかけたが、崩れることは織り込み済みだと考えるようにしたら続いた。

ネット上の体験談には「1週間で治った」「一日で戻せる」というものがある。健康な人が旅行や夜更かしでずれた場合はそうかもしれない。うつで動けない状態から戻すのは、それとは別の話である。数ヶ月かかる前提でいたほうが、途中でやめずに済む。

なぜ「早く寝る」から始めると失敗するのか

昼夜逆転を直そうとすると、たいていの人はまず早く寝ようとする。自分もそうした。そして失敗した。

15時に起きた日の23時に布団に入っても、当然眠くない。眠くないまま横になっていると、「布団は眠れない場所だ」という感覚のほうが積み上がっていく。これを何日か繰り返すと、寝室に入るだけで気が重くなる。戻すどころか悪化する。

就寝時刻は自分の意思で決められない。眠くなる時刻は起きた時刻に引きずられて決まるからだ。だから操作できる側、つまり起床時刻から動かす。順番が逆だと、動かせないものを動かそうとすることになる。

手順1|起床時刻だけを決める

まず、いまの起床時刻を1週間そのまま記録する。直そうとせずに、事実だけを見る。

次に、その平均から30分だけ早い時刻を目標にする。15時起きなら14時半である。いきなり8時にはしない。

ここで大事なのは、起きたあと何をするかは決めないこと。「起きて勉強する」まで決めると、勉強できる気がしない日は起きること自体をやめてしまう。起きるだけでいい。起きてまた横になってもいい。時刻だけを守る。

その時刻で1週間安定したら、また30分早める。安定しなければ、そのまま据え置く。戻さない。

手順2|起きた直後に光を入れる

体内時計は光でずれが調整される。だから起きた直後に光を浴びる。

散歩に出られるならそれが一番いいが、動けない日は出られない。その日は起き上がってカーテンを開けるだけにする。それも無理なら、寝たまま手を伸ばして開ける。

ここを「30分の朝散歩」にすると、できない日が積み上がって全体が止まる。一番調子が悪い日でも実行できる水準まで下げておくのが、続けるためのコツだと思っている。

手順3|眠れない夜は布団から出る

布団に入って眠れないとき、粘らない。20分くらい経って眠くならなければ、いったん起きる。

起きて何をするかは何でもいいが、スマホは持たないようにしていた。手元にあると2時間が消える。自分の場合は本を開いて、眠くなったら戻るという形にした。

これは「布団=眠る場所」という結びつきを壊さないための工夫である。眠れないまま横になっている時間が長いほど、その結びつきは弱くなる。

手順4|記録は時刻だけにする

寝た時刻と起きた時刻だけを書く。それ以外は書かない。

最初は体調や気分も一緒に記録しようとしたが、調子が悪い日ほど書けない。そして書けない日が続くと記録自体をやめてしまう。時刻だけなら、どんな日でも10秒で書ける。

記録を取ってよかったのは、体感と実態がずれていることが分かった点である。「最近まったく眠れていない」と思っていた週に、実際は7〜8時間眠っていた日が何度もあった。記録がないと、この種の思い込みを修正できない。

手順5|1日30分より速く戻さない

調子がいい日に一気に詰めたくなる。3時間まとめて早め、次の日から普通の生活に戻そうとする。これを2回やって、2回とも崩れた。

一気に早起きすると、その日は極端に眠くなって昼寝が長引き、結果として夜眠れなくなる。翌日には元より悪い状態になっている。1日30分は遅く感じるが、崩して戻す時間を考えると、結局これが最短だった。

やって逆効果だったこと

徹夜して強制的にリセットする

「一日眠らずに過ごせば夜に眠れるはず」という方法。健康なときにはできたが、うつの治療中にやったらその後3日間まったく動けなくなった。戻るどころか、そこから元の位置まで戻すのに2週間かかった。

体力の余力がある人向けの方法だと思う。少なくとも自分には合わなかった。

目覚まし時計を大量に置く

部屋のあちこちにアラームを仕掛ける方法。起きること自体はできるが、起きた瞬間の不快感が強すぎて、その日一日の気分が悪くなった。そして数日でアラームを止めることに慣れて効果がなくなる。

昼寝を完全に禁止する

昼寝をやめれば夜眠れると考えた。しかし過眠がある状態で昼寝を禁止すると、夕方に耐えられなくなって結局2〜3時間眠ってしまう。禁止するより、時間を決めて短く取るほうが結果的に夜に響かなかった。

それでも戻らないときに考えること

ここまでのことを続けても戻らない場合、生活習慣の問題ではない可能性がある。

  • 薬の影響。飲んでいる薬に眠気の副作用があることがある。自己判断で減らさず、主治医に相談する
  • うつの症状そのもの。特に非定型うつでは過眠が主症状として出ることがある
  • 睡眠の量ではなく質の問題。長く眠っているのに休めた感じがしないなら、生活リズムを直しても解決しない

自分の場合は2番目だった。生活リズムを直す努力と並行して、過眠そのものが症状であることを受け入れるまでにかなり時間がかかった。

周囲に説明するときに困ったこと

生活リズムの改善に取り組んでいると伝えても、家族には伝わりにくかった。「昼まで寝ている」という事実だけが見えていて、戻している途中だということが見えないからである。

役に立ったのは、手順4の記録をそのまま見せることだった。数字が並んでいると、15時起きが13時起きになっていることが一目で分かる。「頑張っている」と言葉で説明するより、時刻の一覧を見せるほうが早い。

通院時にも同じものを見せていた。医師に対しても、体感で「最近眠れていません」と伝えるより、実際の時刻を出すほうが話が早く進んだ。

よくある質問

昼夜逆転は一日で治せるか

健康な状態で数日ずれただけなら、一度早起きするだけで戻ることはある。ただし数ヶ月続いた昼夜逆転が一日で戻ることは、自分の経験ではなかった。一日で戻そうとして徹夜する方法は、前述のとおり逆効果になりうる。

どのくらいの期間で戻るのか

1日30分ずつ動かす場合、5時間ずらすのに理屈のうえでは10日である。しかし実際には据え置く週と崩れる週があるので、その3〜5倍を見ておくほうが現実的だった。自分は5時間戻すのに3ヶ月かかっている。

休日に寝だめしてもいいか

戻している最中は、休日も同じ起床時刻にしたほうが早く安定した。週末に2時間ずれると、月曜からの数日がそのぶん重くなる。ただし「起きたあと二度寝する」のは許容していた。守るのは起きる時刻だけである。

体内時計はリセットできるのか

スイッチを切り替えるようなリセットは自分にはできなかった。できたのは、毎日少しずつ位置をずらしていくことだけである。リセットという言葉のイメージで一気に戻そうとすると、たいてい崩れる。

サプリや安眠グッズは効くのか

順番としては、ここまでの手順を試したあとだと思っている。起床時刻が毎日3時間動いている状態でサプリを足しても、効いたかどうかの判定ができない。先に時刻を固定して、それでも寝付けない・眠りが浅いという段階になってから検討するほうが、お金の使い方として無駄がない。

よく見る「治し方」と、この記事の違いは何か

一般的な直し方の記事は、朝散歩・朝食・入浴の時間といった「やることを増やす」提案が中心である。体力があるなら有効だと思う。

この記事が違うのは、やることを増やさずに戻す点にある。守るのは起床時刻ひとつだけで、それ以外は増やしていない。動けない日が週の半分ある状態では、守る項目が多いほど全部が止まるからである。改善のスピードは落ちるが、止まらずに済む。

まとめ

  • 就寝時刻は操作できない。起床時刻だけを決める
  • 起きたら光を入れる。動けない日はカーテンを開けるだけでいい
  • 眠れない夜は布団から出る。粘らない
  • 記録は時刻だけ。体調は書かない
  • 1日30分まで。一気に詰めると崩れて遠回りになる
  • 途中で崩れるのは失敗ではなく織り込み済みのこと
  • 続けても戻らないなら、生活習慣ではなく症状や薬の側を疑う

この記事について

ここに書いたのは筆者一人の経過であり、治療法を示すものではない。症状の出方や合う方法は人によって大きく異なる。うつの治療中であれば、生活リズムをどう扱うかは主治医と相談しながら決めてほしい。薬の減量や中止を自己判断で行わないこと。

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